お米作りのこだわり

景色の見える食卓をめざして

西南暖地(特に九州)ではお米の裏作として(お米を栽培していない期間)麦や野菜等を栽培するところが普通ですが、当農場ではあえてお米だけしか栽培しません。

秋の稲刈り後にわらをすき込み、緑肥(レンゲやヘアリーベッチ等)の種を蒔き、翌年の米作りに向けて土作りをします。

 

つまり1年12ヶ月のうち、お米を栽培している期間が約5ヶ月。後の7ヶ月の間は次の年のお米作りのためだけに準備しているということです。他の作物を栽培すれば当然収入があるわけですが、あえて採算を度外視した米作り専用の田んぼなのです。

農薬89%減、化学肥料不使用、除草剤不使用

当農場で栽培するお米は特別栽培米と自然栽培米です。まずは特別栽培米。特別栽培米とは、その地域の慣行レベル(一般的に栽培に使用される基準)の化学合成農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分が50%以下で栽培されたお米のことです。しかし裏を返せば、農薬と化学肥料を50%使ったお米は特別栽培米と呼べるということです。「もっと安全に、安心して、作り手にも食べる人にも、そして環境にも優しくなるように・・・」との思いから、当農場の特別栽培の基準はちょっと違います。

 

田植え後の農薬の不使用。(農薬の使用は田植え前の1回のみ)種籾消毒も温湯消毒(熱湯で殺菌)です。化学肥料は不使用。

 

緑肥を切って乾燥させてすき込み、それに有機発酵肥料と天然のミネラルのみです。除草剤も不使用。ジャンボタニシを利用した除草を行っています。九州ではお米作りの厄介者のジャンボタニシですが、上手く利用すれば雑草を食べてくれます。

均一な代掻き、田植え後の淺水管理が大切です。田植え後、深水にしていると一晩でジャンボタニシに早苗を食べられてしまうこともあります。それだけに細心の水管理が求められます。しかし、最近はジャンボタニシが食べない雑草が出てきて手作業で草取りをすることもしばしば・・・

何も使わず、自然の力にまかせて

農場の栽培法のもう一つが自然栽培。

文字通りの自然栽培です。農薬、化学肥料はもちろん有機肥料さえ入れません。当然、緑肥も蒔きません。入れるのは?(いや、還すのは)その自然栽培の田んぼで収穫した後の稲わらと籾殻のみです。

あとは、その田んぼに冬から春にかけて生えてくる雑草(カラスノエンドウ他)達を田んぼにすき込むだけです。田んぼのあぜにたくましく育つ雑草たちが、肥料もやらないのに小さな花を咲かせ種を飛ばすように、まさに自然のままに育ったお米、それが大地の生命力を吸い上げてたくましく育った自然米です。

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